普通って何だろう?

『普通に生活したい。』

これは、Aさんとも以前に話していた。

『普通が一番難しいよね。』とも。

『普通』って人それぞれだから、『普通』の定義が良く分からない。

そもそも、私は『普通』の生活を出来ていたのか?




子供の頃から、母親に怯え、顔色を伺いながら生活してきた。

常に母親にとっての『良い子』で居なければならなかった。

つまりは、母親にとっての『都合の良い子』だ。

中学生位から反発心が芽生えた。

成績はみるみる下がり、私は学校でも『問題児』になった。

担任が嘆いた。

この頃、母親は入院していた。

反発心を抱きながらも、結局は母親の言いなりになるしかなく、矛盾した気持ちを抱えたまま過ごした。




高校生になると、今度は弟が問題を起こし始める。

反発する弟を母親から庇う役目になった。

母親は自分の理解出来ない事は全く受け付けようとしない。

常に自分が正しく、間違っているのは他者と決めつけた。

気が強く、威圧的で、タチの悪い事に、自分の都合が悪くなるとヒステリックになり、家中をめちゃくちゃに破壊した。




その光景は『地獄絵図』だった。

母親が暴れる数十分間、ただ泣いて謝るしか方法が無かった。





こんな家、一刻も早く出たかった。

これが『普通』だろうか?

私は逃げる様に家を出た。





母親とはほぼ音信不通だ。

私が家を出てから、宗教に縋り付いたと聴いた。

『私のせいなのかよ…。』

納得がいかなかった。

小学校高学年辺りから、ネグレクトが始まり、母親は父親では無い男と毎晩飲み歩いていた。

1ヶ月に1回戻って来るかどうか…。

私は毎日不安だった。

これが『普通』なのか?






母親と仲の良い友達が羨ましかった。

家族団欒ってどうやるんだろうか?

皆、どんな話をして、どうやって一緒に過ごして居るのだろう?

今でも分からないまま。

私には『普通』が分からない。

でも、私の『普通』は、もしかしたら他の人からしたら『普通』では無いのかも知れない。





母親の事は、小さい時は確かに追い求めていた。

それが母親にとっての『良い子』でしかなくても。

でも、時が経ち、それは憎しみへと変わった。

もはや、私を産んだ事すら恨んだ。

育てられないなら、何故産んだんだ?

私はお前の奴隷でも、人形でも無い!





今、私はAさんと暮らしている。

傍から見たら『普通の夫婦』に見えるだろう。

でも、フタを開けたら…。









『普通』って難しい。